連窓(れんそう)、連続窓とは?意味や特徴からメリットデメリット、住宅での活用事例まで徹底解説

連窓(れんそう)とは?意味や特徴からメリットデメリット、住宅での活用事例まで徹底解説

家づくりの打ち合わせの際に「連窓(れんそう・れんまど)、または連続窓」という言葉を見かけることがあります。

縦長、横長の窓が連続するデザインは洗練されていておしゃれです。

一方で、断熱性や窓に面した家具の設置など、事前に検討が必要な事柄もありますので、導入する場合は特徴を正確に確認する必要があります。

そこで本記事では、連窓の特徴をメリット、デメリットから解説し、施工事例や設計のコツまでまとめてご紹介します。

連窓を「おしゃれ」だけで終わらせず、快適さと両立させるための要素として設計しましょう。

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目次
■連窓(れんそう)とは
■連窓を採用するメリット
■連窓を採用するデメリットや注意点
■連窓を採用するなら確認したい、設計のポイント
■まとめ|連窓の利用でおしゃれな住まいを実現


連窓(れんそう)とは

連窓とは、複数の窓を横または縦に連続して配置する窓のつくり

【事例詳細】佐倉市 古民家改修(設計:建築築事務所 撮影:太田拓実)

連窓(れんそう・れんまど)、連続窓とは、複数の窓を横または縦に連続して配置する窓のつくりを指します。

窓同士の高さや幅、ラインを揃えて並べることで、外観と内装に一貫性やリズムを生むことが可能です。

なお、連窓は単に同じ窓を増やすことだけではありません。

たとえば、FIX窓(開かない窓)+開閉窓を組み合わせて採光と換気を両立させたり、視線の高さを外して高窓の連窓にすることでプライバシーを確保したりと、設計意図を反映しやすい要素でもあります。

▶︎関連コラム:窓デザインで外観はここまで”おしゃれ”に│千葉県・東京23区エリアの施工事例とともに解説

連窓を採用するメリット

連窓の利用で洗練された印象を出すビル

【事例詳細】Yビル(設計:ヤマトヒロミ設計室)

連窓は、デザインに加えて暮らしやすさにも直結します。

具体的にどのようなメリットがあるのか、確認しましょう。

  • 洗練された外観デザインになる
  • 室内に光や風を取り込みやすくなる
  • 内装に広がりを感じられる
  • プライバシーを守れる

洗練された外観デザインになる

連窓は縦、または横の窓のラインが揃うことから、外観に統一感が生まれます。

特に横の連窓は水平ラインが強調され、シンプルな外観でも「美しいと思える外観」になりやすい点が魅力です。

窓の高さや間隔に加えて、エアコンの室外機や換気扇のフードなど、他の要素とも高さなどを揃えて、建物全体をスッキリした印象に仕上げましょう。

室内に光や風を取り込みやすくなる

窓が連続すると、単独の窓よりも採光面が増え、室内が明るく感じられます

また、開閉できる窓を設置すれば、風の入口と出口をつくりやすく換気計画にも活かせます。

「明るさ」と「通風」という住宅でぜひ取り込みたい要素を同時に狙える点はメリットです。

内装に広がりを感じられる

連窓の利用で広がりを感じられる内装デザイン

【事例詳細】千葉市緑区 わかな造園古民家(設計:かしの木設計事務所)

連窓は視線が横方向(または縦方向)に抜けるため、空間に広がりが出やすくなります

リビングに横連窓を設けると、実際の広さ以上に開放的に見えることもあります。

プライバシーを守れる

連窓の利用によって、プライバシー性を高められる点も魅力です。

通常の掃き出し窓や腰窓を利用した場合、外部から室内が見えてしまう恐れがあります。

一方で連窓は、スリット型の細長い製品を選ぶと、外枠部分で区切られることから視線が通りにくく、光や風を通しながら視線を遮ります。

人通りが多い箇所などに面して連窓を設置する場合は、高窓や地窓として設置することのほか、不透明なすりガラスにすることもおすすめです。

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連窓を採用するデメリットや注意点

連窓を採用するデメリットや注意点

一方で連窓には弱点もあります。

デメリットや注意点も含めて特徴を確認して、「暑い」「住みにくい」といった問題を避けましょう。

  • 断熱性、気密性が低下することがある
  • 家具やカーテンの配置が難しい場合がある

断熱性、気密性が低下することがある

一般に窓は、壁よりも熱の出入りが大きい部位です。

連窓で窓の面積が増えると、冬は冷えやすく夏は日射の影響を受けやすくなります

  • 複層ガラスやLow-Eガラスなど性能の高いガラスを選ぶ
  • 樹脂サッシなど断熱性の高い枠(サッシ)を検討する
  • 方角に応じて庇(ひさし)や軒など日射遮蔽の工夫を加える

このように、窓の性能や日射対策もセットで考えることをおすすめします。

▶︎関連コラム:庇(ひさし)と軒、下屋の違いとは?設置するメリットや注意点、軒ゼロ住宅についても解説

家具やカーテンの配置が難しい場合がある

連窓を設置した箇所は壁面が減ることから、ソファや収納、テレビ配置などの設置に制約が出ることがあります。

また、窓が連続すると既製のカーテンでは納まりが悪くなり、オーダーが必要になるケースも考えられます。

「窓を増やした結果、壁が足りなくなる」という感想はよくある後悔ポイントですので、ライフスタイルを鑑みて連窓の採用を決めましょう

連窓を採用するなら確認したい、設計のポイント

連窓を採用するなら確認したい、設計のポイント

【事例詳細】松戸市 OH様邸(設計:橋本吉史+カンミレ 撮影:中山保寛)

最後に、連窓の設置で満足するための設計のポイントを整理します。

住まいのデザインと実用性を両立させるために、ぜひご覧ください。

外観と内装の見え方を想定する

連窓は外観の主役になりやすい反面、室内側から見たときの印象も強く、場合によっては内装デザインと衝突する場合もあります。

外観だけで窓の仕様や配置を決めずに、内装の見え方(目線の高さ、景色の切り取り方、窓枠の連続感など)も含めて検討しましょう。

昼と夜で見え方が変わる点も要チェックです。

隣地や道路からの視線対策を検討する

連窓はガラス部分の大きさによっては外部からの視線が気になる場合がありますので、周辺環境との関係を検討することが重要です。

  • 窓の高さを上げる(高窓)
  • すりガラスや視線カットフィルムを使う
  • 植栽やフェンス、袖壁で視線を避ける など

こうした対策が有効ですので、周囲の窓や通行人の視線から、どの対策を取るべきかシミュレーションしましょう。

方角(日射)を考慮して配置する

おしゃれな下屋が外観の印象を高める注文住宅

【事例詳細】市原Mさんち(設計 アーツ&クラフツ建築研究所)

南や西方向は日射の恩恵が大きい一方、夏は暑さの原因にもなります。

連窓を設ける場合は、方角に合わせて「取り込む」「遮る」を適切に使い分ける設計が大切です。

特に西日は室温上昇につながりやすいことから、遮熱ガラスや外付けブラインド、庇なども検討すると安心です。

家具の配置や壁面利用を確認する

連窓の計画では、先に「置きたいもの」を決めることをおすすめします。

たとえば、テレビ背面の壁、収納を置く壁、ソファの位置などを決めたうえで連窓の幅や位置を調整すると、設置の際の後悔を避けられます。

カーテンに加えて、ブラインドやロールスクリーンも検討する

連窓を利用するなら:カーテンに加えて、ブラインドやロールスクリーンも検討する

【事例詳細】H様邸(設計:(有)堀部安嗣建築設計事務所)

連窓は窓の数が多く、また通常の窓とは異なる形状ですので、窓装飾の選び方で使い勝手やインテリアの出来栄えが変わります

見た目をすっきりさせたいならロールスクリーン、光を調整したいならブラインドといった風に目的を明確にすることも重要です。

複数の候補を比較して「掃除しやすさ、操作しやすさ、費用」まで含めて決めると納得感が高まります。

断熱性能の高い窓やサッシを選ぶ

連窓で重要になるのは、窓そのものの性能です。

窓面積が増えるほど外気の影響を受けますので、ガラスとサッシの性能差が体感に直結します。

断熱性能(ガラス、サッシのグレード)と気密性(すき間風の出にくさ)、どちらも性能を満たせるようにしましょう。

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まとめ|連窓の利用でおしゃれな住まいを実現

連窓の利用でおしゃれな住まいを実現

【事例詳細】I様邸(設計:(株)アトリエワン)

連窓は、外観を洗練させ、室内に光や開放感をもたらす魅力的な窓仕様です。

一方で、断熱、気密や家具配置、視線対策を考えずに採用すると、住み心地に影響が出ることもあります。

成功のコツは、「デザイン」に加えて「性能」「暮らし方」「周辺環境」など複合的に考えることです。

東京23区や千葉市でおしゃれ、かつ実用的な住まいをご検討中の方は、ご紹介した注文住宅を建てたかしの木建設まで、お気軽にご相談ください。

▶かしの木建設と一緒に家を建てる【建築家一覧】

▶かしの木建設が建てた【施工事例一覧】

著者情報

かしの木建設株式会社

かしの木建設株式会社

かしの木建設株式会社は、予算や設計、コンサルタント業務を含む建築・住宅工事に50年以上の実績があります。
本コラムのコーナーでは、住まい手に役立つ家づくりの情報を発信しています。

【資格・許可】
千葉県知事許可 県知事許可 建築工事業(特-29)第44199号
土木・とび土木工工事業(般-29)第44199号
大工工事業(般-29)第44199号

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