茶室のある家が素敵|計画のポイントまとめ

和室

最近家で過ごす「おうち時間」が増えてきたことにより、家でできる趣味に注目が集まっています。

そんな中で、茶室を自宅に取り入れる間取りが人気。

ゆったりとくつろぐだけでなく、お客様をおもてなしする空間としても素敵ですよね。

そこでこの記事では、茶室を家に設けるメリットや計画時のポイントについてまとめていきます。

これから新築住宅をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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目次

■茶室のある家に憧れる
■茶室のメリット
■茶室計画のポイント
■茶室で豊かな暮らしを

 

茶室のある家に憧れる

茶室は「究極のおもてなし空間」として、日本古来から大切にされてきました。

自然を大切にする考え方や、不要なものを取り除くミニマルなメソッドは現代にも通じるものがありますね。

そもそも茶の湯の空間は、室町時代に村田珠光によって開かれたのが始まりです。

もともとは「客間」とは別の「茶湯間」でたてられた茶を運ぶというスタイルでしたが、あえて一つの部屋に客間と茶湯間の機能を持たせ、お客様の目の前で茶をたてる様式が誕生。

最初は6畳程度の広さだったものが、その後しだいに小さくなり現在の4畳半という様式に変わっていきました。

その後、千利休が「侘び」のスタイルを確立し、俗世間から離れた空間で茶を楽しむ文化が広まりました。

コンパクトで余計なものがそぎ落とされた空間でお客様と主人が向き合ってもてなすという思想は、現代にも受け継がれています。

 

 

茶室のメリット

和室

ここでは、自宅に茶室を作るメリットについてまとめました。

一般的な和室にはない内装様式や建築の制限などはありますが、古くから伝わる日本人の心を大切にできる空間としておすすめ。

見た目が洗練されておしゃれなだけでなく、心理的なリラックス効果も期待できますよ。

ぜひ新築の際には参考にしてみてください。

 

茶室のメリット①おもてなし空間になる

茶道は、突き詰めるとお客様をおもてなしするための作法です。

お茶の香りや味を楽しんでもらうだけでなく、その空間で過ごす時間がおもてなしと考えられることも。

そのため季節の草花を飾ったり、お香を焚いたりできるようなスペースがあると素敵ですね。

 

おもてなしとしての茶道の極意は、千利休の説いた茶道の教えである「利休七則」にまとめられています。

茶は服(ふく)のよきように、炭(すみ)は湯の沸(わ)くように、夏は涼(すず)しく冬は暖(あたた)かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降(ふ)らずとも雨の用意、相客(あいきゃく)に心せよ。

裏千家HPより

簡単にまとめると、以下のようになります。

  • 茶はお客様の状況や気持ちを慮って点てる
  • 準備は的確でスムーズに行う
  • 季節に合わせた道具や菓子を用いる
  • 草花本来の美しさを生かし、野にあるように生ける
  • あらかじめ準備しておき、ゆとりをもって段取りしておく
  • 雨など突然の状況変化にも、万全の準備をしておく
  • お客様も主人もお互いに尊重し合う

細かいところに気を配るこのような教えからも、茶道のおもてなしの精神が分かりますね。

茶室は一般的な和室と一見同じように見えますが、茶道の本質を体現するにはさまざまな様式の型を踏まえる必要があります。

自宅に茶室を作る場合には、ぜひ茶道ならではの様式を確認するようにしましょう。

 

茶室のメリット②リラックスできる

 

茶道は茶室という狭いスペースで行いますが、非日常感があるからこそ高いヒーリング効果があるとされています。

また茶室畳や障子といった日本古来の建築材料で作られており、くすんだグリーンや乳白色など落ち着いたシックな色合いが優しい雰囲気です。

茶室という空間にいるだけで、癒しのリラックス効果がありますね。

 

「茶道は作法や服装のルールが厳しそうで敷居が高い…」と思われがちですが、最近では洋風にアレンジされた方式も人気。

さらにお茶の香り有効成分は、直接ダイレクトに脳に伝わるとされています。

心地よいお茶の香りに包まれていると、自然と疲れが取れ癒されそうですね。

 

茶室計画のポイント

茶室を計画する際には、一般的な和室とは異なる様式を組み込む必要があります。

しかし少しの工夫で取り入れられるものばかりなので、ぜひ挑戦してみてください。こだわりの茶室計画で、居心地の良い住まいに!

 

茶室計画のポイント①小間と広間

畳スペース

茶室を構成する要素は、「小間(こま)」と「広間(ひろま)」になります。

まず小間は4畳半程度の小さなスペースで、千利休が豊臣秀吉のために作ったのが最初とされています。

シンプルで簡素な作りとなっており、「草庵風」と呼ばれることも。

柱や土壁には、無垢の天然素材を使うという決まりがあるのが特徴です。

 

次に広間とは、15畳程度の広い空間です。

座敷飾りのために設える「付書院」と呼ばれるスペースがあるのが特徴で、生け花や掛け軸などを飾り目で楽しみます。

そのため広間は「書院風」と呼ばれることもあります。

 

茶室計画のポイント②炉

「炉」は湯を沸かすいろりのことを指します。

炉を切る(炉を作る)位置によって間取りの方法が変わってくるので、茶室には重要なポイントです。

まず炉の切り方は「隅切」「向切」「台目切」「四畳半切」の4パターンがあります。

そしてそれぞれのパターンで、客座との関係により「本勝手」「逆勝手」があるので、合計8パターンの組み合わせとなるのです。

ちなみに本勝手とは主人の右手に客座、逆勝手は主人の左手に客座となります。

 

また「茶室に炉があると、火の不始末等危険なのでは?」と思ってしまいそうですが、最近では防火上の制限から電気炉を取り入れる場合も。

床下を掘るスペースがあれば本格的ないろりを作るのも素敵ですが、現代の住宅に合わせた仕様も広まっているため、お住まいになる家の条件や希望に合わせて選んでみるとよいでしょう。

 

茶室計画のポイント③水屋

水屋(みずや)とは、お茶の準備をしたり茶器を格納したりする水まわりスペースを指します。

一般的には間口1.3m、奥行き60㎝、高さ1.5m程度の空間で、流し台と吊戸棚を設けます。

また一部の板を切り込んで、床下に炭入れを作ることも。

もともとはお茶を準備するスペースと座敷スペースが分離していたため、簡単な道具棚が設けられているだけでした。

しかし千利休が始めて茶室の中に水屋流しを作ったことで、このような様式が広まったとされています。

 

茶室計画のポイント④床の間

床の間(とこのま)は、掛け軸や花器などを飾るスペースを指します。

お客様を迎えたらまず床前に案内するという作法があり、おもてなしの精神が表れる空間となっています。

一般的によく見られる「本床」は、床柱を建て、座敷より一段高い空間とします。さらに天井からは小壁を垂らし、床面には畳を敷きます。

当初は一間床が多く作られていましたが、千利休の時代以降は一間床より幅の狭い台目床、四尺床という小さめのサイズが広まりました。

現代では本床を変形したり、一部を簡略化したりとさまざまな形態が存在しているので、住宅に合ったスタイルを選んでみましょう。

 

茶室計画のポイント⑤窓

一般的な和室の窓は、シンプルなガラス窓と障子の組み合わせが多いですよね。

しかし茶室において窓は、明かり取りや通風といった機能面のほか意匠性も担っています。

千利休が考案したスタイルは茶室を南向きに作り、大きな窓を設けたのが特徴です。

窓の外には庇が付けられており、外部からの日光や熱を適度に遮断しながら室内に通します。

連子窓と下地窓があることで、茶室の中がほんのりと明るくなって癒しの効果を生み出します。

 

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茶室で豊かな暮らしを

「茶道は敷居が高そう」「作法を覚えるのが難しそう」というイメージがありますが、最近ではスタイルも多様化しており自由に楽しめる趣味として人気が高まっています。

自宅に茶室を設ければ、お客様をおもてなしする空間としてだけでなくリラックスできるスペースとしても使えます。

茶室特有の建築様式をチェックして、ぜひ自宅に茶室を作ってみてはいかがでしょうか?