玄関に屋根・庇(ひさし)は必要?メリットと後悔しない広さの目安を解説
「玄関に屋根や庇は必要か」「どの程度のサイズがよいのか」新築に際して、こうしたお悩みを抱える方は少なくありません。
本記事では、建築家とともに様々な屋根を設計・施工してきた「かしの木建設」が、玄関に屋根を取り付ける効果や、屋根の種類による違い、後悔につながることもあるサイズ選びといった話題を解説します。
このコラムで分かること
- 玄関に屋根や庇があると、雨除けや玄関ドアの保護、デザイン性向上といった効果を得られます
- 屋根のタイプには主に3種類があり、特徴や外観デザインなどによって選択可能です
- 奥行きは90cm程度が目安ですが、必要に応じて増減を検討しましょう
- 外壁から1m以上突き出す屋根・庇は先端から1m後退した部分が建築面積へ算入されますので、設計だけでなく土地選びの段階から確認が必要です
目次
■玄関に屋根(庇)をつける3つのメリット
■玄関の屋根の種類と選び方
■玄関の屋根で後悔しないためのサイズと設計のポイント
■新築でこそ叶う、玄関屋根と外観の一体設計|かしの木建設の建築家との家づくり
■玄関の屋根に関するよくある質問
■まとめ|玄関の屋根は、暮らしと外観の両方を左右する設計要素
玄関に屋根(庇)をつける3つのメリット
【事例詳細】市原Mさんち(設計 アーツ&クラフツ建築研究所)
玄関に屋根を取り付ける主なメリットは、以下のとおりです。
- 雨や日差しから玄関まわりを守る実用面
- 外観デザインのワンポイントとなる意匠面
たとえば上の写真の事例では、大きな屋根を設けることで、日よけ・雨よけの効果と重厚感ある玄関まわりのデザインを両立させています。
こうした実用的な面も把握した上で、玄関の外側への屋根設置を検討しましょう。
なお、屋根のうち軒は「屋根が外壁より外側に飛び出た箇所」、庇は「窓や玄関ドアの上に別途取り付けられる小型の屋根」を指しています。
▶︎関連コラム:庇(ひさし)と軒、下屋の違いとは?設置するメリットや注意点、軒ゼロ住宅についても解説
雨や雪から玄関まわりを守る
屋根を玄関側に伸ばす場合に最も分かりやすい効果は、雨や雪除けとしての役割です。
具体的には、以下のとおり複数のメリットがあります。
- 玄関の出入り時に屋根の下で落ち着いて傘を開閉できるため、雨や雪に濡れずに済む
- ポストや宅配ボックスが濡れる心配をしなくてよい
- 玄関前の濡れや積雪を抑え、転倒リスクや雪かきの負担を軽減できる
- 雨天時に来客を濡らさずに対応できる など
直射日光や汚れから玄関ドアを守る
玄関前の屋根は、玄関ドアそのものを守る役割も果たします。
日射が直接当たり続けるドアも、屋根を設けることで塗装の色あせや木部の反りといった問題を避けることが可能です。
また、雨ダレによる外壁・玄関ドアの汚れを防ぐ効果も期待できます。
外観に立体感が生まれ、デザイン性が向上する
意匠面では、屋根を設けることで外観に陰影と奥行きが生まれ、高級感あるデザインを演出します。
また、庇や軒下にダウンライト・ポーチライトを設置することで手元や足元を明るく照らせるため、夜間の意匠性向上に加えて防犯性の強化にもつながります。
▶︎関連コラム:窓デザインで外観はここまで”おしゃれ”に│千葉県・東京23区エリアの施工事例とともに解説
▶大きな屋根のある重厚感を感じるデザインの家は「かしの木建設」へ
玄関の屋根の種類と選び方
【事例詳細】花見川の住宅兼店舗(設計 有田佳生建築設計事務所)
玄関の上に屋根を設ける場合、主に次の3つのタイプから選択することになります。
それぞれカバーする範囲や外観上の印象が異なりますので、特徴を把握した上で選びましょう。
なお、上記の事例(花見川の住宅兼店舗)は「下屋・大屋根型」で大きく張り出した屋根の下を外部空間として活用しています。
こちらの事例は店舗で、来客が濡れることなく、また直射日光から避ける役割も果たします。
独立庇(外壁取付タイプ)|シンプルでコストを抑えやすい
独立庇(外壁取付タイプ)は玄関ドアの上部、外壁に直接取り付けるタイプです。
建物の形状を変えずに屋根をかけられるため外観をすっきりと保ちやすく、費用面でも取り入れやすい選択肢といえます。
ただし、奥行きが小さいと風の強い日の雨には対応しきれないため、雨除けとして機能する寸法を確保できているかを設計段階で確認する必要があります。
下屋・大屋根型|広い範囲をカバーできる
母屋の屋根とは別の高さで低く張り出す「下屋(げや)」や、2階の屋根をそのまま1階までダイナミックに伸ばす「大屋根」を利用するタイプです。
屋根面が大きいぶん玄関ポーチ全体をゆったりと覆いやすく、外観に豊かな重厚感や洗練された存在感が生まれます。
建物本体の構造や屋根形状と一体で設計する必要があるため、間取りや外観全体のシルエットとのバランス調整が求められます。
独立式・カーポート一体型|門や駐車スペースまでカバー
玄関から門扉までを独立した柱と屋根でつなぐタイプ、あるいはカーポートと一体化させて駐車スペースまで覆うタイプです。
車から玄関まで濡れずに移動できるため、雨の日の乗り降りや荷物の運び入れが楽になります。
外壁に負荷をかけない構造のため、既存住宅への後付けリフォームにも対応できる点も特徴です。
ただし、柱を設置して独立させる構造は敷地内での建築面積(建ぺい率)に直接影響するため、設置位置やサイズの事前確認が求められます。
玄関の屋根で後悔しないためのサイズと設計のポイント
【事例詳細】H様邸(設計:奥野公章建築設計室 写真:中山保寛)
玄関の屋根設計で後悔を防ぐには、「適切なサイズの選択」と「法規制(建築面積)への配慮」の2点が必要です。
後悔を防ぐための具体的な寸法の目安と、設計時に確認するべき注意点を解説します。
奥行きの目安|90cm程度が一般的
玄関にかかる屋根の奥行きは「90cm程度」が一般的です。
90cm程度あれば、玄関前で鍵を取り出したり、傘を差したりといった動作をする際に雨から身を守れます。
一方で、90cmより深くした場合、浅くした場合の特徴は次のとおりです。
【大きくした場合】
■メリット
- 風の強い日の雨でも身を守れる
- 直射日光を遮る効果が強まる
- 園芸用具やベビーカーなどを置くスペースになる
- 重厚感や高級感のある外観になる
■デメリット
- 玄関まわりが暗くなる可能性がある
- 構造的な補強が必要で費用が高くなる
【小さくした場合】
■メリット
- 建築費用が安くなる
- 玄関まわりが明るく開放的になる
- モダン・シンプルな外観になる
■デメリット
- 雨の日に体が濡れやすくなる
- 玄関ドアや外壁の劣化が早まる
このように、大きくした場合小さくした場合、双方にメリット・デメリットがありますので、一概に「どちらが優れている」とは言えない点に留意しましょう。
見落としがちな注意点|外壁から1m以上突き出すと建築面積に算入される
新築時に注意したい点は、建築面積の考え方です。
外壁または柱の中心線から水平距離で1m以上突き出した軒や庇がある場合、先端から1m後退した線までが建築面積に算入されることが定められています。
建築面積は建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)の計算に利用されますので、敷地条件によっては建物の大きさや屋根の大きさが制限される可能性があります。
新築でこそ叶う、玄関屋根と外観の一体設計|かしの木建設の建築家との家づくり
玄関の屋根は、実用性・デザイン・法規制という3つの視点が交わる部分です。
後付けでも設置はできますが、新築時に外観と一体で計画すると設計の自由度は大きく変わります。
かしの木建設は、施主・建築家・工務店の3者が連携して一棟ずつ設計を進める完全注文住宅を手がけています。
建築家がプランニングの段階から建ぺい率や敷地条件を踏まえて屋根形状と奥行きを検討するため、玄関まわりの屋根を「後から足す設備」ではなく「外観設計の一部」として組み立てることが可能です。
素材の面でも、無垢材から軒天の樹種を選んだりガルバリウムや漆喰など複数の外壁と組み合わせたりと、質感を活かした玄関まわりを実現可能です。
▶千葉県・東京23区で実際の現場をご覧になりたい方は「かしの木建設」へご相談ください
玄関の屋根に関するよくある質問
Q:リフォームで玄関に屋根を後付けする場合、費用の目安はどれくらいですか?
A:一般的な外壁取付タイプの庇(幅120〜150cm程度)を後付け場合、製品代と施工費を合わせて15万〜30万円程度が標準的な相場です。
一方で、駐車スペースまで覆う「独立式・カーポート一体型」を新設する場合、規模や柱工事の有無に応じて50万〜100万円以上の費用が発生します。
既存の外壁状態や構造補強の要否によっても金額が変わるため、検討の際は事前に現場調査の見積もりを取得しなければいけません。
Q:屋根や庇の素材は必ず母屋の屋根と合わせなければいけませんか?
A:必ず合わせなければならないという決まりはありません。
外観の統一感を出しやすいことから母屋の屋根と素材・色をそろえることが一般的ですが、木製の軒天やガラス素材の庇をアクセントとして用いる設計もあります。
全体の外観バランスを見ながら、設計者と相談して決めましょう。
まとめ|玄関の屋根は、暮らしと外観の両方を左右する設計要素
玄関に屋根を設けると、雨や雪から玄関まわりを守れるだけでなく、玄関ドアの劣化や外壁の汚れを抑え、外観に立体感を加えられる効果も期待できます。
こうした玄関まわりの屋根のタイプは外壁取付の庇、下屋・大屋根型、独立式・カーポート一体型の3つに大きく分かれ、カバーしたい範囲と敷地条件によって適した選択肢が変わりますので入念な検討が必要です。
サイズは奥行き90cm程度がひとつの目安ですが、外壁から1m以上突き出す場合は先端から1m後退した部分が建築面積に算入されますので、建ぺい率オーバーを防ぐためにも設計段階で確認しなければいけません。
サイズは奥行き90cm程度がひとつの目安ですが、外壁から1m以上突き出す場合は建築面積に算入されるため、建ぺい率との兼ね合いを設計段階で確認しておく必要があります。
千葉県・東京23区で建築家とつくる注文住宅をご検討の方は、かしの木建設にお気軽にご相談ください。
創業から50年以上の施工実績に基づく、暮らしやすくデザイン性に優れたお住まいの建築をお約束いたします。
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